最近耳にする機会の多い「働き方改革」や「ワーク・ライフ・バランス」。
実はこの「ワーク・ライフ・バランス」が、仕事の生産性向上と密接に関係しているんです。

働き方改革では長時間労働の改善や、有給休暇の取得を推進していますが、実はそれが「目的」なのではなく、ワーク・ライフ・バランスを実現するための「手段」なのです。

では、ワーク・ライフ・バランスは何が目的なのでしょうか?
ワーク・ライフ・バランスが実現されるとどのようなメリットがあるのでしょうか?

ワーク・ライフ・バランスが実現されたとき、どのようなメリットがあるのか、よくある誤解を解きながら、ご紹介します!


もしかして誤解かも?あなたの思うワーク・ライフ・バランス


「ワーク・ライフ・バランス」や「働き方改革」という言葉からどのようなことを連想しますか?
言葉から連想されるそのイメージは、もしかしたら誤解かもしれません。

1.働く時間を短縮するためのものでしょう?


「残業できなくなったから仕事が溜まって困っている」

長時間働き続けることは、若いうちはできるかもしれませんが、この先もずっと同じような働き方を続けていけるのでしょうか?
時間外労働時間が月80時間を超えると、メンタル疾患のリスクが急増すると厚生労働省が発表しています。


また、起床してから13時間を経過すると、脳の処理速度は酒気帯び運転時と同じ状態になるとも言われています。
つまり、朝6時に起きたとしたら、19時には脳は酔っ払っているときと同じ処理速度といえます。

長時間労働は心身の健康状態に悪い影響を与えるだけではなく、脳の働きを低下させてしまい、業務の質が落ちることが分かるかと思います。

働き方改革で推進される長時間労働の削減は、メンタル疾患発症のリスクを軽減し、誰もが長く働き続けられることを目的としています。
その際、同じ業務量を短い時間で完了させるためには、無駄を排除し、効率化を図るなど、「業務の進め方」を変えて、「業務の質」「生産性」を高める必要があります。

2.プライベートを充実させることが目的でしょ?

「プライベートの時間を大切にしろと言われるけど、仕事が生きがいだからもっと仕事の時間を取りたい」

という方もいるかもしれません。では、生きがいの仕事をより充実させるために、取り組んでみたいことはありませんか?
資格を取ったり、スキルを磨いたり、知識を増やすための本を読んだり・・・

そのような時間を設けることは自己成長に繋がり、より一層仕事が充実していく、ということもメリットの一つです。

一昔前は同じ質の製品をできるだけ早く、できるだけ大量に生産できることが求められていましたが、現在は商品・サービスに多様性を求められる時代となりました。
また、働く側にも多様性が生まれており、それぞれの生活にあった働き方をする人が増えています。

一人ひとりが充実したライフの時間の中で、自己研鑽や他業種との交流などから様々な刺激や情報を得て、それぞれが情報を持ち寄ることで新たなアイディアが生み出されていきます。
このようにして個人のライフの充実は、会社としての成長にも繋がっていきます。

3.子育てとか介護してる人のためでしょ?

「子育てや介護をしている人は働きやすくなるかもしれないけど、独身の自分には関係ない」

特別な事情を抱える人でも働き続けられる環境整備はとても大切ですが、この取組みは「ワーク・ファミリー・バランス」というものに過ぎません。

事情を抱える一部の人を優遇し、その人の業務量を減らしたとして、その減らした分は誰が行うのでしょうか?結局は誰かに大きく負担がかかってしまいますよね。

ワーク・ライフ・バランスでは、すべての社員に「ライフ」があり、一人ひとりが業務の質を高めることで、ワークとライフの双方を充実させていくことが大切です。
ライフには育児や介護も含まれますが、その他にも趣味や運動、他者との交流などがあり、「休息」というのも大切な「ライフ」のひとつです。

4.ワークとライフのバランスをとることでしょ?


「働き方改革やワーク・ライフ・バランスに取り組むメリットがいまいちわからない」

「バランス」という単語により「ワーク・ライフ・バランス」と聞いて天秤を想像しがちですが、天秤というものは非常に不安定です。
仮に天秤のような関係性だった場合、どちらかが重要視されるともう一方は軽視されるということになります。

ワーク・ライフ・バランスとは、天秤のように釣り合った関係を保つことではなく、仕事と生活の双方を充実させ、仕事とプライベートの相乗効果により好循環を生み出すことを指します。

ワーク・ライフ・バランスは、すべての人が将来的に長く働き続けられるよう、メンタル疾患の発症を予防し、業務の質を改善することで生産性を高めていくことです。
そしてその取組みの手段として推進されているのが働き方改革です。

     

相乗効果を生み出す!生産性を高める先輩社員の「ライフ」を紹介

ワーク・ライフ・バランスは生産性を高めていくこと、と記載しましたが、生産性を高めるためには何が必要でしょうか?

生産性とは、【業務の質】 × 【業務の量】 ÷ 【その業務にかけた時間】で計算されます。

生産性を高めるには、質・量を増やし、業務にかける仕事を短くしていくことが求められます。
いきなり「生産性を高めていこう!」「仕事とプライベートの相乗効果を生み出していこう!」と言われても戸惑ってしまう方もいますよね。

そこで、「ライフ」の過ごし方や日頃の考え方について、筆者の先輩社員に話を聞いてみました。仕事に相乗効果を生み出す例としていくつかご紹介します。

リフレッシュで頭の整理!休日の過ごし方


先輩社員の実践していることとして「休日のリフレッシュ」が多く聞かれました。


①身体を動かして頭をすっきり
自転車やスイミングなど、無心で体を動かし続けることで、一人の時間を取りながら自分と向き合い、仕事の悩みも含め、頭の中のモヤモヤを整理することもできる大切な時間だそうです。

②好きなことを楽しみ活力を生み出す
温泉につかって心と体を癒したり、美味しいものを食べにドライブを楽しむことでリフレッシュする社員もいました。
休日にリフレッシュすることで気持ちを切り替えて仕事に対し前向きな気持ちや頑張る活力を充電できているようです。
また、休日に楽しみな予定が待っていることで、「仕事を頑張ろう!」と日頃の業務へのモチベーションも向上するそうです。


心身が疲れていると集中力や意欲の低下にもつながりかねません。そのため、心身をリフレッシュすることは、業務の質や生産性の向上につながる大切な「ライフ」です。

世界を広げて成長のチャンス!日常の心がけ


日常的な心がけが生産性向上に繋がっている先輩社員もいました。


①未経験のことにも積極的に挑戦
新しいことに挑戦することを「怖い」「不安」と感じる人もいるかと思います。
そんな中で、どんなことにも臆せず前向きに挑戦する社員に、普段どんなことを意識しているのか聞いてみました。

「『誘われたら断らずに行ってみなさい』という母からの言葉をきっかけに、未経験のことにも積極的に挑戦するようになった」
日常の中での「誘われたら断らないで試しに参加してみる」という意識によって、新しい仕事にも臆せず挑戦する姿勢が作り上げられたそうです。

②「変化」を楽しむ
新しいこと同様に「変化」を「不安」と感じる人もいるかもしれません。
変化を受け入れるということは自分が変わらなければならないため、とても勇気のいること、とある社員が聞かせてくれました。

「『変化を楽しむ」というインスタグラムの投稿を見てから、変化を「怖い」ではなく「楽しむ」と意識して向き合うことで見える世界が変わることに気がついた』
普段なら「いやだな」と思うことも、自分がもっと成長できるチャンスかも!と捉えることで充実した毎日を送ることができるかもしれません。

③「今」を認知し、「今」を楽しむ
「今」自分が何をしているのか、何が起きているのかを認知することを心がけている社員がいました。
仕事でもプライベートでも「今」という時間を一番大切にし、その時一緒にいる人に「楽しい!」と思ってもらうことを生きがいにしているそうです。
仕事でもプライベートでも、人と会うことで世界が広がり、自分自身もですが、一緒に過ごす他人を高めることにも繋がります。


日常の小さな意識の積み重ねが、自身の中に根付いていき、自分自身を成長させる大きな鍵となります。どんなことでも、小さな意識から作り上げてみませんか?

マネジメント力の向上!徹底した生活管理


日頃の徹底した自己管理が業務のマネジメント力に繋がっている社員もいました。


①適切な睡眠時間確保のための時間管理
翌日の仕事のパフォーマンスを上げるために、自分に必要な睡眠時間がどのくらいか把握し、且つ確保するために時間管理を徹底している社員がいました。

「早く寝る」という漠然とした目標ではなく、「21時までに寝る」ということを実現するために【18時に退社】【18時半までに帰宅】【19時までに夕飯】【20時までにお風呂】・・・と日常の時間管理を徹底しています。
時間への意識の高さは日頃の業務にも繋がります。
その業務にどのくらいの時間がかけられるのか、短時間で効率よく業務を行うにはどうしたらよいか、考える習慣がついてきます。

②家事のプロジェクト化でマネジメント力を養う
体調を崩したことがきっかけで、それまで家事育児を一身に背負って行っていた社員は、「自分が入院したら家族が生活できなくなる!」と気づき、家事の属人化排除を決意し、家事の細分化を実践したそうです。

「ごはんをつくる」という内容ではできなくても「こんだてをきめる」「やさいをあらう」と細分化されていれば、小学生の子どもでも出来るようになります。
業務が属人化していると「休めない!」という状態が作り上げられてしまうリスクを、身を持って知り、「みんなでやったら楽しい!」ということにも気づいたそうです。

     

まとめ:本当の意味のワーク・ライフ・バランスを達成しよう


いかがでしたか?
ライフが充実することでワークが充実し、ワークが充実することで、またライフが充実する。
このようにそれぞれが作用しあって相乗効果でワークとライフの質が高まりあっていくことがワーク・ライフ・バランスの実現です。

当社では、ワーク・ライフ・バランスチームを4つのチームに分け、全社員がいずれかのチームに所属し、社員全員で楽しみながら、生産性向上や働きやすい職場環境推進へ向けた取り組みを実践しています。
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ワーク・ライフ・バランスを実現し、自分自身そして会社の成長を図ってみませんか?
今後もワーク・ライフ・バランスや働き方改革に関連するコラムを掲載していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

   


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