新入社員を採用・育成しても、すぐに辞めてしまったら、会社にとっては非常に大きな損失になりますよね。
「最近の新入社員はすぐに辞める」という声を聞くことがありますが、なぜ彼らがすぐに辞めてしまうのかを理解していますか?
どのように定着させるのかを考えて、対策を講じないと、これからもずっと採用⇒退職を繰り返すこととなってしまいます。
ここでは、新入社員の定着・育成に必要なポイントを紹介していきます。
ぜひ、今後の新入社員育成の参考にしてみてくださいね。
3年以内の平均離退職率40%超!新卒社員の現状
新規学卒者の退職状況は、厚生労働省が発表している『新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移』で確認することができます。
3年目までの退職者数は、平成28年3月の結果では平均43.9%と、40%を超える新卒者が3年以内に退職していることが分かります。
集計は中学卒・高校卒・短大等卒・大学卒に分かれていますが、大学卒でも32.0%の人が早期退職をしているんです。
また、「最近の若者は…」という言葉を聞きますが、実はこの結果(退職率)はここ10年大きく変わっていません。
それでは、新卒社員が退職する理由はどういったものがあるのでしょうか?
退職理由を理解し、その理由に合わせた対策が必要となるので、まずはどのような理由があるのかを見ていきましょう。
意外と知らない!新卒社員の退職理由とは?
平成29(2017)年度に内閣府が行った、就労等に関する若者の意識を調査した「子供・若者の意識に関する調査」から、退職理由を確認することができます。
全国の16歳から29歳までの男女(有効回答数10,000)を対象に実施した調査では、初職の退職理由(複数選択可)は下記のような結果となっています。
第5位 ノルマや責任が重すぎた【19.1%】
業種にもよると思いますが、入社してすぐに数値目標を課せられると、そのプレッシャーや責任が重荷になり、退職に繋がるケースがあります。
ただ「今月は●件売ってくること」等の目標だけを新入社員に指示して、その目標に対す背景やゴール、目的を伝えていないことはありませんか?
また、他社員も自身の業務が多忙すぎて、目標だけ与えて新入社員への教育やフォローが疎かになっていることはありませんか?
総合的な環境や状況も、新入社員を追い込む理由になってしまうことがあります。
第4位 賃金の条件がよくなかった【20.7%】
入社してすぐに賃金を理由に退職する新入社員の場合は、給与制度をきちんと理解していない可能性が高いです。
社会保険料等の給与から引かれる分の理解不足や、賞与に対する過度な期待が、退職に繋がるケースもあるようです。
入社時説明では、給与や評価制度についてもきちんと説明をすることも必要になります。
第3位 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった【23.4%】
これらの労働条件については、求人票や契約書でも明示されている内容ですが、会社によっては必要に応じて残業や休日出勤が発生することもあると思います。
しかし、それが続くと新入社員は「条件がよくないから」と退職してしまうことがあります。
そのため、もし少しでも可能性があるのであれば、入社前の雇用契約時に、理由と併せて「残業や休日出勤があること」を伝えるようにしましょう。
また、そのときには振替休日や残業代の説明も忘れないようにしてくださいね。
第2位 人間関係がよくなかった【23.7%】
上司や先輩社員、同僚とのコミュニケーションがうまくいかないと、退職に繋がってしまうことがあります。
コミュニケーション不全が発生する理由は様々ですが、コミュニケーションが不足すると、些細なことでも「ハラスメント」と捉えられてしまう可能性が高くなります。
これは新入社員教育だけでなく、場合によっては、管理者への理解促進や育成も必要になってくる内容です。
第1位 仕事が自分に合わなかった【43.4%】
入社後に担当した仕事が「自分との適性が合わない」として、早期退職してしまう新入社員が、この調査では約半数いました。
また、最も重要な理由としてあげた割合も多く、改善が必須な内容であることが分かります。
入社してすぐの新入社員の場合、一人ひとりの適性や得意不得意・興味関心をすぐに理解することは非常に困難です。
そのため、本人のこれまでの経歴や知識・スキルの整理や、価値観・興味関心を共有してもらう機会を設けることで、一人ひとりの適性に合った仕事を振ることができるかもしれませんね。
人材定着への第一歩!正しい新入社員教育のポイントとは?
せっかく新入社員を採用して教育するからには、会社の戦力になってほしいと思いますよね。
それでは、どうしたら会社に定着するようになるのでしょうか?
ここでは、新入社員教育のポイントを紹介していきます。
1.新入社員研修で社会人としての基礎スキルを教えよう
特に新卒社員の場合は、学生時代のマインドから、社会人としてのマインドに意識変革することが重要になってきます。
既に社会人経験が多い立場からすると「当たり前だ」と感じることも、彼らには通用しないケースがあります。
そのため、新入社員研修を通して、社会人として必要な心構えやスキルを習得してもらうことで、スムーズに実務に入ることができます。
>人材育成についてはこちら
課題や目的に合わせて、オリジナルカリキュラムをご提案します。
2.社員のメンタルタフネス度をあげよう
メンタルタフネス度とは、「心の強さ」のことを指します。
現在は、コロナ渦で直接のコミュニケーション機会が減った等、これまでよりも高いストレスが掛かっている新入社員も多いかもしれません。
また、新入社員が辞める理由で、「人間関係」や「仕事の適性」などがあがっていますが、メンタルタフネス度が上がると、これらのストレスに対応する力が高まり、自律的・前向きな行動に繋がります。
ぜひ、社会人としての基礎スキルと併せて、メンタルタフネス度を鍛えませんか。
これは、新入社員だけでなく、これからを担う若手社員や、管理職を目指す中堅社員にも効果が高いため、階層や立場に合わせての習得もおすすめです。
>まずはお問い合わせ・ご相談ください
3.社員の教育スキルを学ぼう
新入社員研修で基礎スキルの習得をしてもらうことは可能ですが、研修後、実務においては社内で教育を行うことが必要です。
しかし、指導者は、そのように新入社員と向き合い、指導・教育をしていけば良いのでしょうか。
当社の人材育成サービスでは、管理者向け研修も実施しています。<br>
課題や目的に応じてカリキュラムを組むため、社員育成に特化した研修にも対応することができるので、気になる方はぜひお問い合わせください。
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まとめ: 社員教育を通して優秀な人材の定着を目指そう!
近年、労働人口の減少に伴い、人材不足で悩んでいる企業が増えてきました。
求人募集をしても応募が中々来なかったり、来ても求めている人材と合致しなかったり、採用をするのも大変な時代になっています。
そのため、労働力の確保をするために、きちんと社員教育をして会社に定着してもらえるようにすることが必要です。
新入社員の可能性は無限大です。
「最近の若い人は…」「どうせ辞めるだろう…」と諦めるのではなく、彼らの能力を最大限に活かして会社の貢献に繋がるよう、教育をしていきましょう!